千曲市(長野) 大峯山(841.4m)、鏡台山北峰(1267m) 2024年3月9日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 4:42 窪山展望公園−−4:50 尾根取付(害獣除け柵)−−5:06 林道−−5:22 送電鉄塔−−5:30 大岩−−5:54 大峯山(スノーシュー装着) 5:58−−6:20 林道−−6:40 廃林道−−7:07 廃林道終点−−8:29 鏡台山北峰−−9:05 廃林道終−−9:18 廃林道を離れる−−9:25 林道−−9:39 大峯山−−9:41 スノーシューを脱ぐ 9:45−−9:52 大岩−−9:56 送電鉄塔−−10:02 林道−−10:06 尾根取付(害獣除け柵)−−10:14 窪山展望公園

場所長野県千曲市
年月日2024年3月9日 日帰り
天候雪後曇
山行種類一般登山+プチ雪山+プチ藪山
交通手段マイカー
駐車場あんずの里 窪山展望公園を利用
登山道の有無尾根取付〜大峯山〜1011m峰南を通る廃林道までは道無し。それ以外は道あり
籔の有無ほぼ無し。ただし道が無い区間では多少の灌木あり
危険個所の有無無し
山頂の展望どちらの山頂も展望無し
GPSトラックログ
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コメント今週は下界で2回の降雪があり山では激ラッセルが予想されたが、このコースでは初めてスノーシューを投入して挑戦。南向きの尾根では思ったよりも雪解けが進んで大峯山直下までは僅かな新雪だけであったが、大峯山以降は積雪が増加してスノーシュー装着。標高1000m以上は概ね30〜50cmの積雪で、スノーシュー無しではこの付近で体力の限界を迎えただろう。今回は鏡台山山頂には届かなかったが鏡台山北峰まで達することができた。鏡台山北峰までの所要時間は無雪時は約2時間だが今回は3時間半かかり、無雪時ならコースを周回しても体力的には余裕があるが、今回は鏡台山北峰まででも本当に疲れた


鏡台山北峰近くの倒木。2月23日には無かったがその後の降雪で倒れたと思われる。周囲は笹原だが雪に完全に埋もれて全く見えない


窪山展望公園駐車場を出発。白い点は雪 尾根取付
林道(標高520m付近) 送電鉄塔手前の灌木藪
送電鉄塔 大岩(標高660m付近)
大岩上部の帽子 大峯山手前の標高800m付近。これより上部は雪が増える
大峯山山頂 大峯山山頂でスノーシュー装着
スノーシュー跡とカモシカの足跡の雪の沈み方 820m鞍部からの登り返し
大きな倒木も雪に埋もれる 林道は深い雪に埋もれて車の通行は不可能
廃登山道も雪に埋もれる 自分のトレース。足首程度まで潜る
標高950m付近 廃林道に降り立つ(標高970m付近)。この時点で吹雪
標高1000m付近 松の枝には古い雪が乗ったまま
廃林道終点(標高1040m付近) 廃林道終点付近で足首までのラッセル
檜には新雪が付着し道を塞ぐ 標高1080m付近の標識
おそらく鹿のトレース 1134m峰
1120m鞍部 カモシカのトレース
短時間だが日が差す 標高1250m付近の倒木
積雪だけでなく僅かに霧氷が付いていた 1267m峰(鏡台山北峰)
標高1200m以上では脛までのラッセルも 標高1080m付近の標識
廃林道終点(標高1040m付近) ここで廃林道から尾根に復帰する(標高970m付近)
標高960m付近 林道を横断して大峯山に続く尾根へ
伐採地だけは雪が締まって歩きやすい 往路のトレースに新雪が積もっている
樹林越しの大峯山 大峯山山頂。鹿の角はそのままだった
スノーシュー無しだとこれくらい沈む 標高800m付近で急激に積雪が減少
標高800m付近でスノーシューを脱ぐ 標高700m付近
大岩(標高660m付近) 送電鉄塔上部からの展望
送電鉄塔(標高620m付近) 林道(標高520m付近)へ下る獣道
尾根取付(標高440m付近) 大峯山を振り返る
窪山展望公園駐車場到着 ガラスには膜状の雪が積もっていたが凍結していない
窪山展望公園から見た茶臼山、このすぐ奥は雪雲の中


 3月に入って気象分類上は春に入ったが、真冬より暖かくなったとはいえ長野ではまだ最低気温は0℃以下で最高気温は+5℃前後の日が多く、関東なら真冬に相当する状況だ。しかも南岸低気圧の影響で真冬よりも降雪量が多くなっていて、今週は2回も雪が降った。下界では積もることはなったが千曲方面の低山の北斜面は真っ白になった。先週の五里ヶ峯は激ラッセルで苦労したが、今週はおそらくそれ以上の積雪だろう。ついでに週末は南岸低気圧が抜けて冬型の気圧配置に変わっての降雪予報である。日本海側の残雪の藪山はまたもやお預けであり、近場でラッセルの体力トレーニングだ。

 金曜日は低気圧が抜けて冬型に変わるまでの短い期間だが一時的に天候が回復し、半日くらい日差しがあり盆地北側の低山の南斜面の雪がかなり溶けたのが見えた。いつもの鏡台山〜五里ヶ峯周回コースでできるだけラッセルを避けるには南斜面をできるだけ長く歩くコースが得策であろう。南斜面以外は相当の積雪でどのみちコース1周は体力的に無理だろうと予想し、半分程度歩くなら前回の五里ヶ峯のルートではなく、大峯山南西尾根経由で鏡台山を往復するのが一番楽だろうと考えた。これなら大峯山までは急な南斜面で雪解けが期待できる。ただし、それ以降の西向きの緩斜面と北向き斜面はラッセルがきついのは確実であり、今回はこのコースで初めてスノーシューを投入することにした。まさか長野盆地周辺の山でこれを使うとは。でも先週の経験でワカンでは力不足なのは間違いなく、特に今回は鏡台山の登りが北斜面で先週より標高が高いので、間違いなく積雪は先週より多いだろう。

 土曜早朝の出発時は予報通り雪。まだ周囲は真っ暗なので窪山展望公園に到着しても斜面の積雪状況は不明だが、駐車場の積雪は新雪が表面を覆う程度で予想外に少ない。しかし南岸低気圧の降雪は下界と山の上で大きな違いがあるのは今シーズンの経験で分かっているので、予定通りザックにはスノーシューを括り付けて出発。今回は激ラッセル用にストックを持つことにしたが、激ラッセルの区間の傾斜は先週よりも緩かったために、結果的に出番は無かった。出発時に長靴の上にロングスパッツを装着し、手袋には開封したての使い捨てカイロを仕込んだが、これは正解であった。

 乾いた細かな雪が降りしきる中をLEDライトの光で北へ向かう。ここは山で冷たい北風がブロックされるのでまだいいが、大峯山山頂に達して稜線に出たら吹雪模様かもしれないな。尾根取付で背の低い害獣除け柵を越えて斜面に取り付くが、僅かばかりの新雪が地面を覆うだけで南岸低気圧で降った古い雪は全く見られずラッセルは不要だった。ただし新雪の下の地面は凍っておらず湿っていて、靴底が柔らかい長靴では滑りやすい。久しぶりにスノーシューを背負ったが思ったよりも重く、ワカンを担ぐより格段に重さを感じる。上部ではラッセルが待っているはずなので、体力をセーブするためにいつもよりペースを落として急斜面を上がっていく。

 林道を越えて急斜面の途中で体温が上昇して暑くなったので、防寒着を脱いで薄手のウィンドブレーカの上フード付きのに雨具の上着を着用。これで毛糸の帽子に雪が積もるのを防止できる。藪をかき分けて送電鉄塔に到着すると樹林が開けるが、降雪が思ったよりも強くなって下界の夜景は雲がかかったように霞んでしまっていた。

 次のランドマークの大岩の西側を巻く箇所で初めて古い雪が登場し、カモシカの古い足跡が残っていた。しかし再び尾根上に乗って傾斜が増すと薄い新雪のみに変わる。この付近で標高700mくらいのはずで、ここで古い雪が全く見られないのだから先週のコースよりも確実にラッセル回避できている。

 標高800m付近で赤松純林に低い照葉樹が混じり出すと大峯山山頂は近い。一時的な自然林から檜植林に切り替わる境界線で傾斜が緩むと同時に一気に積雪が増えて足首から脛くらいまで潜るようになる。これは新雪ではなく南岸低気圧で降った古い雪である。ズボズボと踏み抜きに苦労して雪が降りしきる大峯山山頂に到着。往路では気付かなかったが、三角点と文字が消えた標識がある場所の僅かに南側を通過したために、枝に吊るした鹿の角が見当たらず雪の重みで枝が折れたのかと勘違いした。しかし明るくなった帰りにはちゃんと鹿の角があった。

 この積雪量と雪質ではツボ足は厳しいのでここで今シーズン初のスノーシューを装着。長靴は登山靴に比べて靴の外側のサイズが一回り小さいので、スノーシューのヒールリフタを使えるようにするためには登山靴の時より後方に括り付ける必要がある。まだ積雪量は10cm程度だが、スノーシューでは体重をかけても踏み抜かないので負荷がかなり減る。この頃には明るくなってきたのでLEDライトを収納。だいぶ季節が進んで今は午前6時の15分くらい前からライト無しでも歩けるくらいになった。

 鞍部へ下って登り返すと積雪量が増えてきて、傾斜が緩むと一気に増える。カモシカの足跡は深い穴になっているがスノーシューなら沈みは僅かだ。尾根上の樹林が伐採されて日当たりがいい場所では雪が良く締まってスノーシューでは全く沈まず快適だったが、そんな場所はスポット的な狭い範囲だけである。

 林道に出る手前の大きな倒木は雪に埋もれてぱっと見では存在が分からないくらい。林道には轍が全く無いが、これくらいの積雪量に達するとオフロード車でもスタック必至で、重機で除雪しない限りは車両の通行は不可能であろう。ただし、もう3月でありこの積雪量は1週間も持たないだろうけど。

 林道を横断して尾根に取り付いて廃道化した登山道を歩くが、尾根全面が積雪に覆われているので道形は全く見えない。適当に上がっていくがルートを外れると雪の下には重みで曲がった笹があり、その下には空間が開いているのでズボっと潜るので、できるだけ廃道を辿るのが正解であった。檜植林には新雪が付いて葉が垂れ下がって邪魔をしていて鬱陶しい。2箇所ほどでルートを外れたが無事に正規の場所から廃林道へ降り立った。

 廃林道は尾根の南側にあるので雪が少ないかと思ったがそんなことはなく、足首程度のラッセルが続く。天気は悪化して吹雪状態で、雨具の上着を着ていて良かった。これが尾根直上だったらモロに風が吹きつけて大変だったろう。近くの松の枝には古い雪が乗っているようで、分厚く雪が積もっていた。

 廃林道終点の大きな倒木も雪に覆われてぱっと見では見えないくらい。この時点で出発から2時間半近くかかっており、もしツボ足だったらここまで達することはできなかっただろう。この状態では鏡台山北斜面の登りのラッセルはもっときついと予想され、スノーシューでも鏡台山まで達するのは時間的、体力的に厳しそうで、その場合は鏡台山北峰までとしよう。まあ、そこまで達せるかどうかさえ怪しいが。

 登山道に入るが当然ながら人間のトレースは無い。ここでも檜の葉には大量の雪が付着して垂れ下がり道を塞いでいた。雪を叩き落して枝の下を通り抜けたり、枝を左右に迂回したりした。標高1080m付近の鏡台山まで距離、所要時間(2.0km、1時間25分)が書かれた標識を通過すると笹が増えるが、積雪でほとんど埋もれて笹は見えないくらいだった。スノーシューでも常に足首まで潜る積雪で足取りがさらに重くなる。でも先週のワカンよりは歩きやすく、ワカンだと何度も足元を固めないと体重をかけた時にズボっと潜って体力を余分の搾り取られたが、スノーシューではそれをやらなくても大丈夫だった。まあ、雪質の差もあるだろうけど。

 雪の上にはカモシカや小動物の足跡が多数あったが、中には足跡の間隔が大きく開いた鹿と思われる足跡も。積雪は30〜50cmくらいあったと思うが、これでもまだ鹿は行動可能らしい。カモシカは牛の仲間でパワーがあるため積雪が深くなってもラッセル可能であるが、鹿は思ったよりもパワーが無くて雪が深くなると車がスタックしてしまうように雪にはまって動けなくなってしまう。だから雪が深い地域に冬場に鹿はいないのだ。長野市は微妙な積雪量であり雪が多く積もっても数日で減ることが多いので、標高が低いエリアなら鹿は越冬可能であろう。

 1134m峰を越えて鞍部から登り返すとさらに積雪が増えて、場所によっては膝まで潜るようになりさらにスピードダウン。私の場合、無雪なら北アルプスの3000m級の山の登りでも息が乱れることはないが、このラッセルでは平坦地でも息が乱れる。カモシカのトレースが頻繁に現れるが登山道を交差するようなルートであり、ラッセル軽減に利用できなかった。

 標高1200m付近まで続く檜植林帯が終わると明るい自然林で、一時的であるが雲が切れて日差しが差し込み、どうやら雪雲が抜けたらしい。まだ全面が青空ではなく雲が多いが、この後に雪が降ることは無かった。

 傾斜が緩んで負荷が減るが積雪は多くてスノーシューでも延々と足首から脛、場所によっては膝まで潜るのでスピードが上がらない。登山道を塞ぐ新たな倒木を巻くために登山道を離れると雪の下に埋もれた笹の下には空間があり、踏み抜く深さが格段に深くなって四苦八苦する。この積雪量だと笹は完全に埋もれているので登山道がどこにあるのかほぼ判別不能状態であった。

 鏡台山北峰山頂が近付くと平坦になるが、相変わらずのラッセルの連続で労力は大して変わらなかった。やっと山頂標識が登場するが、標識のある場所は真の最高点ではないのでもう少し南へ進んで真の最高点に立つ。この僅かな距離でもラッセル地獄であった。ここから鏡台山山頂まで無雪なら10〜15分であるが、この状況では片道30分、往復1時間かかるだろう。そこまで苦労して鏡台山山頂に立つ意義は感じられないので本日はここまでとして往路を引き返すことに決定。もう無雪期の北アルプス登山より遥かに体力を使っているだろう。

 帰りは自分のトレースがあるとは言え、登りと下りでは歩幅が合わないのでラッセルを完全回避できるわけではないが、当然ながら登りよりはずっと楽である。廃林道終点から鏡台山北峰まで登りは約1時間半かかったが、下りはその1/3の時間しかかからなかった。

 林道を横断して大峯山へ続く尾根に入ると、もう雪は止んでいるが往路の自分のトレースに新雪が乗っていた。時々日差しが差すがまだ短時間であり、木に付着した雪はまだ溶けずにいた。北風なので木の北側の面が白くなっていた。

 大峯山山頂の鹿の角を確認して南西尾根に入る。檜植林帯が終わると積雪が急激に減少して数cm程度になるのでスノーシューを脱いでザックの背中へ。この尾根は傾斜が急であり少しの雪でも滑りやすいので注意しながら下っていく。大岩を通過して送電鉄塔上部で樹林が開けると長野盆地でも雪が止んだようですっきりと見えていた。ただし茶臼山等の盆地西縁の山より奥は白く霞んでいて、おそらく今も雪が降っているのだろう。

 林道を通過して尾根取り付きポイントへ下る。この付近では新雪はごく僅かで少しでも日が当たれば簡単に消えそうだ。最後は舗装道路を歩いて窪山展望公園へ。車は私の物だけ。駐車場の雪はすっかり溶けていたが、車の上には雪が積もっていた。ただし、気温が高いので凍ってはおらず、手で簡単にどけることができた。

 車に乗り込んで自宅方面へ西へと走らせると、薄っすらと日差しがあるのに雪が舞い始めた。

 

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